組合せ論セミナー

第2回 2010年5月6日

奥田隆幸(東京大学)「コンパクトリー群上のデザインと符号についての不等式」

球面上のデザインと符号の理論において、堅いデザインは重要な研究対象であるが、その定義には以下の重要な事実が用いられる。すなわち、``デザイン、符号それぞれにおいてFisher型と呼ばれる不等式が存在し、またその不等式の等号成立の場合には、デザインであることと符号であることは同値''となることである。この結果の一般化として、これまでに rank 1 のコンパクト対称空間、実および複素 Grassmann 多様体などにおいて同様の結果が成り立つことが知られている。この講演では、一般のコンパクトリー群について、表現論の言葉を用いてデザインと符号を定義し、Fisher型不等式のコンパクトリー群版、またその等号成立の場合にデザインと符号が結びつくことを紹介する。