卒業研究について
〈※ 現在,卒業研究は担当していません〉


『生物現象に潜む数理』

------- 数理モデリングと数理モデル解析による生物現象の数理的考察 -------




この卒業研究
においては,以下のような生物数理・数理生物学的研究過程の一連を実際に経験することを通じて,科学的な研究における考え方の基礎を学ぶとともに,自分の能力を高める経験(トレーニング)となることを目指します:
  1. 生命現象の数理モデリング
  2. 数理モデルの解析
  3. 論文の作成
  4. 研究成果のプレゼンテーション

この卒業研究においては,生命現象の科学的探究のための指標の提供や問題提起を目的とした数理モデル解析を主眼とします。 つまり,現実の生命現象の真理を科学的に議論するための問題点を明らかにしたり,問題提起を行ったり,あるいは,研究の展開のための礎となったりするような,数理的・理論的な生命現象の研究のための数理モデル解析を行います。 考える生物学的問題に関して主要と考えられる要因を選択的に抽出し, 可能な限り単純な構造をもつ数理モデリングによって, (定性的)生物学的議論を行うための数理モデル解析,あるいは, より具体的な生物学的問題に関する数理モデリングに発展させることのできるような基礎数理モデル解析, または,理論生物学的議論の体系化に関わるよう な数理モデル解析に取り組むことになります。 「数学における生物数学」や「生物学における数理生物学」のいずれかに限定されるものではありません。


この卒業研究では, 実際の野外研究や実験研究によって得られたデータや知見を元にした数理的・理論的な研究を行うことになります。 しばしば,実際の野外観察・観測あるいは実験が不可能であるような対象であっても, 理論的な数理モデリングによる(思考実験的)研究が可能であり,その結果が,実際的な野外観察・観測や実験の指針として役立つ可能性もあります。 また,一方では,理論生物学的な問題を数理モデル解析によって議論することは,生物学的理論の体系化に役立つばかりでなく, 生命現象の新しい研究を生み出す可能性をも秘めています。 また,カオス理論のように,数理生物学的な数理モデル研究が,数学や物理学の理論的研究の発展に寄与してきた例も少なくありません。


この卒業研究においては,生物学的知識と数理的知識を,数理モデルの構成という目的の下に適切に統合するという独特な過程に重心があり,学んでゆく内容も, 生物学や数学の知識そのままを学ぶだけではなく,生物学的知識・センスや数理的知識・ センスを数理モデリングという観点から捉えるという点がかなり特徴的です。 それは,数学とも生物学とも関わる,まさに学際的な観点です。




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