組合せ論セミナー

 


第14回 2010年12月2日 15:30〜17:00

栗原大武 (東北大学)「s-距離集合に対するexcess theoremについて」

まず連結な正則グラフに対してのspectral excess theoremについて述べる.各
頂点から最も離れた位置にある点の個数の平均値がグラフの固有値とその重複度
によって決まる定数で上から抑えられ,更にその等号が成立する為の必要十分条
件が,このグラフが距離正則グラフになるというものである.この定理の利点は
ある距離正則グラフと同じスペクトルをもつグラフに対して,そのグラフもまた
距離正則性を持つか判定できることである.
本講演では,グラフの代数的に双対な概念にあたるs-距離集合に対してある不等
式を与え,その不等式の等号成立とs-距離集合がQ多項式スキームになることが
同値であること(つまりs-距離集合に対するexcess theorem)について述べる.