組合せ論セミナー

第87回 2018年4月24日 15:30〜17:00  ※会場は609演習室となります

篠原 英裕「高種数タット多項式の導入」

タット多項式はマトロイドとよばれる組合せ構造に対して定義される2変数多項式であり、グラフの彩色多項式や符号のweight enumerator, グラフの全域森の数など、これを使うことによりさまざまなものを計算できる不変量である。しかし他の多くの不変量と同様に同じ値を持つ非同型マトロイドの例が多数知られている。我々は変数の数を増やすことにより、
(1) 種数 g+1 の多項式から種数 g の多項式を導出できる,
(2) すべての非同型マトロイドの対に対して十分種数を大きくしたときに2つのマトロイドの多項式が非同値になる,
(3) すべての種数gについて種数g で同値の多項式を返し, 種数gでは非同値な多項式を返すペアが存在する,
ような多項式を導入する。この研究は琉球大学の三枝崎剛氏, 金沢大学の大浦学氏, 山形大学の佐久間雅氏との共同研究である.