一口コラム

ここでは、1冊の参考書を紹介したいと思います。参考書と言って も数学や英語といった教科に関するものではありません。高校の先 生とは少し違った様子の先生も多く、授業の時間も長く、大学の授 業と高校の授業のギャップに戸惑っている新入生もいるのではない かと思います。そのような皆さんには、大学での勉強の実際を分か りやすく説明した1冊の本「AERA Mook 勉強のやり方がわかる、朝 日新聞社発行」を読んでみて欲しいと思います。
目次を見てみましょう。第1章:授業を受ける、第2章:自分で学 ぶ、第3章:高校から大学へ、第4章:実験、フィールドワーク、 第5章:勉強の基礎、となっています。それぞれの章において、テ ーマに沿って、大学で勉強をするためのアイデアやテクニックが書 かれています。例えば、「試験、成績評価−ルールを理解すれば心 配することはない−」、「単位、履修、学期制、セメスター−大学 生活を成功させるために知っておきたい制度−」、「大学教員とは 何か−授業を受ける前に教員の特徴を知っておこう−」など気にな る記事が見つかるはずです。「事務組織を知ろう、事務室の役割と 活用法」というような記事もあります。
この本には、皆さんの学生生活を充実させる素がたくさん詰まって いると思います。是非、手に取ってみて下さい。

私の専門は数学(数理科学)です。後半は数学に関係した話を書き たいと思います。2以上の整数を一つ選んで下さい。その整数が偶 数ならば2で割る、奇数ならば3倍して1を加える、という操作を 繰り返して行ないます。例えば、5を選ぶと5→16→8→4→2 →1→4→2→1(以下同じ繰り返し)となります。皆さんも好き な整数でやってみて下さい。不思議なことに、同じような結果にな るはずです。実は、「どんな整数を選んでも最終的には4→2→1 (以下同じ繰り返し)になること」が予想されています。この予想 は、角谷予想またはコラッツ予想と呼ばれている数学の有名な未解 決問題の一つです。 問題の意味がすぐに理解できて、簡単に見えるこの予想もまだ正し いことが示されていません。科学にはまだまだ分かっていないこと がたくさんあります。皆さんも、色々な知識を付けて、それぞれの 専門において興味ある対象を見付けられるように頑張って勉強をし て欲しいと思います。大学を卒業する時点では難しいかもしれませ んが、いつか、まだ分かっていない何かに触れられることが出来る ようにと願っています。