Geometry and Analysis Seminar


2016年度
  1. 2017年 3月16日(木)15:00 -- 16:30, 2階大講義室
    宇田川誠一 氏(日本大学医学部)
    Finite gap solutions for horizontal minimal surfaces of finite type in 5-sphere

    Abstract:

    * 本講演は 青葉山ミニマックス小研究会/勉強会 (3月16日-17日) との共催です.


  2. 2017年 2月 3日(金)15:00 -- 16:30, 2階大講義室
    生駒典久 氏(金沢大学理工研究域)
    種数 0 のウィルモア型曲面の存在

    Abstract:
    一般の 3次元リーマン多様体において曲面積一定という制約条件の下, ウィルモア汎関数の臨界点となる曲面 (ウィルモア型曲面と呼ぶことにする) の存在について考える. 制約条件の曲面積は十分小さいものを考え,特に種数 0 の曲面を扱う. この講演では,リーマン多様体のスカラー曲率が非退化臨界点を持つ場合, その点に凝集するウィルモア型曲面の存在や一般の閉リーマン多様体上での ウィルモア型曲面の多重存在性などについて議論する. なお,本講演は A. Malchiodi 氏 (SNS Pisa) と A. Mondino 氏 (Univ. of Warwick) との共同研究に基づく.



  3. 2017年 1月19日(木)15:00 -- 16:30, 2階大講義室
    只野誉 氏(大阪大学理学研究科)
    Ricci ソリトンの幾何学

    Abstract:
    1980年代に R. S. Hamilton によって導入された Ricci フローは多様体上の 標準計量の構成において大きな成功を収め, 微分幾何学における主要な道具 としてその地位を確立した。中でも G. Perelman による Poincar\'{e} 予想の 解決や S. Brendle 及び R. Schoen による微分可能球面定理の解決は記憶に新しい。 Riemann 多様体上の Ricci ソリトンは Einstein 多様体の自然な一般化である だけでなく, Ricci フローの自己相似解に対応し, このフローの特異点モデル として自然に現れる重要な研究対象である。Ricci ソリトンは数学のみならず 超弦理論の AdS/CFT 対応においてもその重要性が指摘され, 近年活発な研究が 行われている。本講演では Riemann 多様体上の Ricci ソリトンに焦点を当て, その基本的な性質を紹介した後, 講演者が得た結果についてお話ししたい。 具体的には Einstein 多様体に対する Bonnet-Myers の定理や Hitchin-Thorpe 不等式などの基本的な結果が Ricci ソリトンに対してどの程度拡張出来るかを お話ししたい。時間が許せば, 近年の Ricci フローに対する研究の成功を契機 として導入された佐々木-Ricci ソリトンや quasi-Einstein 多様体などの 一般化に対しても同様の考察を試みたい。



  4. 2016年11月21日(月)14:00 -- 15:30, 6階小講義室
    井上淳 氏(東京工業大学名誉教授)
    Onsager予想とそれに関する問題等、思いつくままに

    Abstract:
    非粘性完全流体の運動を支配しているとされる Euler 方程式は 体積保存の微分同型写像群 ${\rm Diff}_{\sigma}(M)$ の``測地線方程式'' とも見なされる。有限次元多様体 $M$ 上の測地線方程式は``良く解ける''。 一方、2次元多様体$M$上の微分同型写像群は無限次元だが、その Euler 方程式は 時間大域の古典解も弱解もある。ところが、3次元以上だととたんに難しくなる (渦度 $\omega = \nabla \times u$ が2次元の場合のみスカラーになる)。 ところで、層流のみならず乱流も Navier-Stokes 方程式を用いて記述されると考えられ、 それに関して統計流体力学的な観点から Kolmogorov が1941年に幾つかの 重要な法則を発表している。これに触発されてか Onsager は粘性のない Euler方程式に関する予想を1949年に述べた。 その予想が近年解かれ出し、そこでは Littlewood-Paley 理論が 「どうも本質的」に利用され、物理学者のいう $e^{i\infty} \Doteq 0$ の意味を幾分かは明らかにしているようである。 標語的には、弱解の定義に用いる試料関数では測定不能なものがある、 さて、この状況を如何せん!



  5. 2016年10月27日(木)13:30 -- 15:00, 2階大講義室
    船野敬 氏(東北大学大学院情報科学研究科)
    ハムサンドイッチとラプラシアン
    (Ham sandwich and Laplacian)

    Abstract:
    ラプラシアンの固有関数に対するハムサンドイッチ 定理を用いてユークリッド空間内の凸領域上のラプラシアンの ノイマン固有値に関して次の3つの証明の概略を時間が許す範囲 でお話したい。
    1. 定数倍を除いた領域単調性
    2. 定数倍を除いた領域非単調性
    3. 固有値の間の普遍不等式



    2015年度

  6. 2016年 3月 4日(金)15:30 -- 16:30, 6階 小講義室 [会場変更]
    Cristian Enache 氏 (Research Group of the project PN-II-ID-PCE-2012-4-0021, IMAR, Romania)
    On some recent maximum principles for P-functions and their applications

    Abstract:
    In this talk we will discuss about some new maximum principles for P-functions and their applications to the study of partial differential equations. More exactly, we will show how one may employ such maximum principles in problems of physical or geometrical interest, in order to get a priori estimates, isoperimetric inequalities, symmetry results, convexity results, the shape of some free boundaries and Liouville type results.



  7. 2016年 2月19日(金)16:30 -- 17:30, 6階 小講義室
    前田昌也 氏(千葉大学理学研究科)
    On nonlinear Fermi Golden Rule

    Abstract:
    In this talk, we study the long time dynamics of small solutions of nonlinear Schrodinger equation. If the Schrodinger operator has more that 2 eigenvalues, there will be a nontrivial nonlinear interaction between the eigenvalues and continuous spectrum. Further, by this interaction, there will be no quasi-periodic solutions. I would like to explain the mechanism of this nonlinear interaction which is called Fermi Golden Rule.



  8. 2016年 2月19日(金) 15:15 -- 16:15 [時間変更], 6階 小講義室
    中澤嵩 氏(東北大学情報科学研究科)
    Shape Optimization Problems Considering Hydrodynamics Stability

    Abstract:
    The author is tackling to construct more versatile shape optimization methods controlling Hydrodynamics stability. So far, together with Prof. H. AZEGAMI, we suggested a pioneering shape optimization method by which the real part of the leading eigenvalues is defined as a cost function, and the critical Reynolds number is increased. However, the only disturbance with a maximum real part is used to evaluate the sensitivity in the method. Therefore, in the case that two and more unstable disturbances are growing up, the method is lack versatility. Wherein, the author suggest a new shape optimization method considering all the unstable disturbances.
    In particular, disturbance momentum energy is defined as the cost function, and the stationary Navier-Stokes problem and the time evolution problem for nonlinear disturbances are used as main problems. The shape derivative of the cost function is defined as the Fréchet derivative of the cost function with respect to arbitrary variation of the design variable, which denotes the domain variation, and is evaluated using the Lagrange multiplier method. To obtain a numerical solution, the author uses an iterative algorithm based on the H1 gradient method using the finite element method. To confirm the validity of the solution, a numerical example for two-dimensional Cavity flow is presented.



  9. 2016年 2月19日(金) 13:30 -- 15:00, 6 階 小講義室
    土屋卓也 氏(愛媛大学理工学研究科数理科学専攻)
    三角形および四面体上のLagrange補間の誤差評価について
    (Error estimates of the Lagrange interpolation on triangles and tetrahedrons)

    Abstract:
    三角形または四面体上のLagrange補間の誤差評価は、数値解析学、特に 有限要素法の誤差解析の理論において重要な課題である。従来、有限要素法の 多くの教科書では、有限要素法で微分方程式の解を精度よく近似するためには、 領域の三角形(四面体)分割に使われる三角形(四面体)はなるべく「ふっく らしているもの」を使うべきであるとされてきた。しかし最近の講演者らの研 究で、この認識は必ずしも正しくないことがわかってきた。
    本講演では、Lagrange補間の誤差評価の歴史を概観し、さらに最近の講演者の 研究の結果を報告する。また、Lagrange補間の誤差評価と曲面の面積の定義の 間にある関係についても言及する。



  10. 2015年10月29日(木) 13:30-- , 2階 大講義室
    本多正平 氏(東北大学理学研究科)
    Spectral convergence under bounded Ricci curvature

    Abstract:
    Riemann 多様体の列がある特異な空間に Gromov-Hausdorff 収束したとき, 適切な曲率の仮定の下で,関数に作用するラプラシアンのスペクトラムの 収束が示せることがわかっている. 本講演では微分形式に作用するラプラシアンを考える.特に,Hodge ラプラシアンについては $1$-形式についてスペクトルの収束が示せ, $3$ 形式以上ではそのスペクトラムの収束は期待できないこと,そして connection ラプラシアンについては全ての $k$-形式についてスペクトラム の収束が示せることを紹介する.



  11. 2015年 9月 8日(火) 14:00 -- , 2階 大講義室
    Colette Anné 氏 (Université de Nantes, France)
    Signature and the gap in the spectrum of the Hodge Laplacian

    Abstract:
    Gilles Carron proved that if the complete Riemannian manifold $M$ can be partitioned by a closed oriented hypersurface with non zero signature, then the spectrum of the Hodge Laplacian on $M$ is the all half line $[0, + \infty [.$ We present a result in the reciprocal way: If the closed Riemannian manifold $M$ can be partitioned by a closed oriented hypersurface with zero cohomological group in the middle degree, then one can construct on the corresponding $\Z$-covering a metric such that the spectrum of the Hodge Laplacian has as many gaps as we want.



  12. 2015年 7月28日(火) 10:00 -- 12:00, 6階 小講義室
    側島基宏 氏 (東京理科大学)
    Generation of analytic semigroups on $L^p$ by scale-invariant elliptic operators

    Abstract:
    Paper: http://arxiv.org/abs/1405.5657v1
    本講演では,$L^p=L^p(\R^N)$における 2 階楕円型作用素
    $L=|x|^{\alpha}\Delta +c|x|^{\alpha-2}x\cdot\nabla -b|x|^{\alpha-2}$
    による解析的半群の生成について考える. ここで,$N \in \N$, $1 < p < \infty$, $\alpha, c, b \in \R$ とする. 作用素 L はスケール変換 において定数を除いて不変である. 特に $\alpha=0$, $c=0$ の場合,L は inverse square potential $|x|^{-2}$ をもつ Schrödinger 作用素であり,多くの先行研究がある $\alpha \neq 0$ の場合は拡散係数 $|x|^{\alpha}$ に原点と空間遠方に 特異性があるので,たとえ b=c=0 であっても L の作用素としての性質は 容易には得られない. 本講演では,N, p と作用素 L のパラメータ$\alpha, c, b \in \R$ に関する L による解析的半群の生成の必要十分条件が得られたので、それについて解説する.
    本講演は,サレント大学のGiorgio Metafune先生,Chiara Spina先生, 東京理科大学の岡沢登先生との共同研究に基づく.



  13. 2015年 7月27日(月)16:00 -- 18:00, 2階 中講義室
    岡沢登 氏 (東京理科大学)
    Spectral theory of linear m-sectorial operators in Banach and Hilbert spaces -historical review-


    Abstract:


  14. 2015年 6月 6日(土)10:00 -- , 6階 小講義室
    谷口晃一 氏(中央大学)
    L^p-mapping properties for Schrodinger operators in open sets of R^d

    Abstract: Paper:
    講演では, シュレディンガー作用素の関数の$L^p$空間における有界性 について解説する. シュレディンガー作用素 H が自己共役であるとき, スペクトル分解定理を用いてシュレディンガー作用素の関数 f(H) を $L^2$ 空間上の作用素として定義できる. さらに関数 f が有界ならば, 作用素の 関数 f(H) は $L^2$ 空間上で有界である. しかし, $L^p$空間 ($p \neq 2$) 上 で有界になるか否かは自明ではない. シュレディンガー作用素の関数 f(H) の $L^p$有界性については, 全空間では既に研究されており, 関数空間論や 偏微分方程式に応用されている. 本講演では, 開集合上で定義されたシュレ ディンガー作用素に対して, 作用素の関数 f(H) の $L^p$ 有界性を考える. ポテンシャルは加藤型ポテンシャルを扱う.
    本講演は, 松山登喜夫氏 (中央大学) と岩渕司氏 (大阪市立大学) との 共同研究に基づいている.



  15. 2015年 6月 5日(金)13:00-- , 6階 小講義室
    松山 登喜夫 氏(中央大学)
    Kirchhoff 方程式の Gevrey 級解
    (Gevrey class solutions to the Kirchhoff equation)

    Abstract: Paper: http://arxiv.org/abs/1508.05305
    本講演ではKirchhoff方程式の時間大域的なGevrey級解の存在 について解説する。Kirchhoff方程式は、 主要部に未知関数の$L^2$ ノルムが掛かった準線形2階双曲型偏微分方程式であり、弦の横方向 の振動が縦方向より非常に大きい場合に近似された運動方程式として、 1883年に G. Kirchhoff が提唱した。Kirchhoff 以来57年の年月を 経て1940年に S. Bernstein が実解析解の存在を証明し、35年後の 1975年、Pohozhaev が一般次元にBernsteinの結果を拡張した。 Gevrey 族は実解析的クラスと $H^\infty$ クラスの間にあるクラス であるが、Kirchhoff 方程式の Gevrey 可解性は未だに解かれていなかった。 なお、初期値のSobolevノルムが十分小さい時はいくつか結果がある。 証明の鍵は、時間に依存する係数をもつ線形双曲型偏微分方程式の 解のエネルギー不等式とKirchhoff方程式の局所解の寿命に関する 上からの評価である。証明は背理法で遂行する。
    本講演は、Michael Ruzhansky氏 (Imperial College London) との 共同研究に基づいている。



  16. 2015年5月7日(木)13:00 -- 15:30, 6階 小講義室
    Matthias Keller (Univ. Jena)
    Intrinsic metric on graphs


    Abstract:There are various results in Riemannian manifolds which are consequences of the close relationship between the Laplace- Beltrami operator and the Riemannian distance. For graphs many of these results fail to be true if one considers the combinatorial graph distance. Now by using the concept of intrinsic metrics re- cently introduced in the context of general regular Dirichlet forms by Frank/Lenz/Wingert analogous results can be proven in the context of weighted graphs. This solves various problems that have been open for several years and decades.


  17. Vincenzo Ferone (Univ. di Napoli) Isoperimetric inequalities and symmetrization methods: an approach to PDE's and to functional inequalities

    13 April 2015 (M), 13:30~15:00, Middle lecture room 2F GSIS
    14 April 2015 (T), 15:00~18:00, Middle lecture room 2F GSIS
    15 April 2015 (W), 15:00~18:00, Middle lecture room 2F GSIS


    Abstract: The series of lectures will be devoted to give an introduction to the "so-called" symmetrization methods which have been successfully used in the study of solutions to elliptic and parabolic problems and in the study of functional inequalities. The starting point will be the classical isoperimetric inequality and Schwarz symmetrization. In particular, their role in the quoted contexts will be highlighted discussing some model results that nowadays can be considered classical. Typical questions which will be addressed are the following ones.
    • Comparison results for nonlinear elliptic and parabolic partial differential equations.
    • Existence and regularity for solutions to nonlinear elliptic and parabolic partial differential equations in the case of non-regular data.
    • Isoperimetric inequalities concerning functionals of the Calculus of Variations and investigation about the best constants in functional inequalities.
    • Optimization problems for functionals defined on classes of equimeasurable functions.
    • Other symmetrization methods.
    Some recent developments on the subject will be presented.


    2014年度

  18. Andrea Colesanti (Univ. di Firenze) From the Brunn-Minkowski inequality to elliptic PDE's

    9 March 2015 (M), 13:30~16:45, Conference room 2F GSIS
    10 March 2015 (T), 13:30~16:45, Conference room 2F GSIS
    11 March 2015 (W), 10:30~12:00, 13:30~15:00, Conference room 2F GSIS


    Abstract: The main scope of this series of lectures is to describe in details the Brunn-Minkowski inequality, in the realm of Convex Geometry, and its links to the Calculus of Variations and elliptic PDE's. The first part will be dedicated to background material in Convex Geometry. In particular we will introduce the space of convex bodies (compact, convex subsets of the n-dimensional Euclidean space), along with basic tools like the Minkowski addition, the Hausdorff metric and the support function. We will then pass to the Brunn-Minkowski inequality, presenting its proof through the Prekopa-Leindler inequality, and describing how it is connected with other fundamental inequalities in analysis such the isoperimetric and the Poincare inequality. In the third part we will speak about functionals defined on the class of convex bodies that verify an inequality of Brunn-Minkowski type. This will create the main link with elliptic PDE's. Indeed many classical functionals, like the principal frequency of a domain, the Newtonian capacity and the torsional rigidity, verify an inequality of this type. We will present these examples in some details, explaining some of the techniques used to prove the corresponding Brunn-Minkowski inequality.

    Overview of the course:


  19. 2015年 1月27日(火) 15:30 --- 16:30, 2階 大講義室
    芥川和雄 氏 (東京工業大学理工学研究科)
    Harmonic maps between asymptotically hyperbolic manifolds

    Abstract:
    この講演は,松本佳彦氏(東工大理工)との共同研究に基づいている.
    2つの漸近的に双曲的リーマン多様体$M, N$を考え,その間の調和写像に対する 無限遠におけるDirichlet問題を考え,その存在定理と一意性定理を紹介する. ここでターゲット多様体$N$は非正曲率を仮定し,境界写像は$C^1$級で そのエネルギー密度が至るところで消えない場合を考えている. 我々の結果はLi-Tamの双曲空間の間の調和写像に対する結果の一般化を与える. $M, N$のトポロジーは多様で,これはまた有名なEells-Sampsonの結果の 非コンパクト版とも見做せることに注意しておく.



  20. 2015年 1月26日(月) 13:30 --- 17:00, 6 階小講義室
    芥川和雄 氏 (東京工業大学理工学研究科)
    The Yamabe invariant and singular Einstein metrics

    Abstract:
    この講演の一部は,Gilles Carron (ナント大) と Rafe Mazzeo (スタンフォード大) との共同研究に基づいている.
    山辺の問題は(殆どリーマン的な)測度距離空間と呼ばれる特異空間 $(X, d, \mu)$ 上で定義され,その山辺定数 $Y(X, d, \mu)$ および局所山辺定数 $Y_{\ell}(X, d, \mu)$ が定義され,さらにAubin型の不等式
    Y(X, d, \mu) \leq Y_{\ell}(X, d, \mu)\ (\, \leq Y(S^n) \,)
    が成立する. 局所山辺定数$Y_{\ell}(X, d, \mu)$は,$X$ の(正則部分には依存せず)特異部分のみ で決まる定数である. したがって,$(X, d, \mu)$ が通常の $C^{\infty}$ 級多様体である場合は, $Y_{\ell}(X, d, \mu) = Y(S^n)$ である. 上記の不等式がstrictな不等式 $Y(X, d, \mu) < Y_{\ell}(X, d, \mu)$ であるとき, 山辺の問題は可解である. 等号成立 $Y(X, d, \mu) = Y_{\ell}(X, d, \mu)$ の場合は,特異空間上では 山辺の問題は一般に可解ではないことが知られている.

    さて閉多様体の微分位相不変量である山辺不変量の基本目標として,
    (1) 山辺不変量を達成する(一般には退化した)Einstein計量を求めること,
    (2) 山辺不変量の値を求めること・評価すること,
    の二つがある.
    (2) は十分に難しい問題であるが,3・4次元では大きな進歩があった. (1)はさらに難しい問題で,今の所大きな進歩はない. しかしながら,$n$ 次元球面 $S^n$ 上であるedge-cone Einstein計量の族を考えることにより, 問題 (1) に関して興味深い現象が成立する. 本講演では,先ず特異空間上の山辺の問題と山辺計量の存在定理を紹介し, 上記の問題$(1)$に関する結果と考察を行う.


About the Seminar

The Geometry and Analysis Seminar at Research Center for Pure and Applied Mathematics (RCPAM) GSIS Tohoku University takes place in the Graduate School of Information Sciences (GSIS) building Tohoku University at Sendai. The Seminar will deal with the topics in Geometry and Analysis, as well as their interactions emphasising the ideas behind the theory. The audience includes graduate students, non-experts and experts, and we encourage active discussion during the seminar in a relaxed atmosphere.

The seminar is organised by Reika Fukuizumi, Kei Funano, Shigeru Sakaguchi, Junya Takahashi.