【投稿日】2009.1.16
お忙しい時期にもかかわらず、ご参加いただきました皆様ありがとうございました。
活発な議論が行われ、楽しいワークショップとなりました。
次回のワークショップへのお越しもお待ちいたしております。
日時: | 1月16日㈮ 15:20−18:00 |
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場所: | 青葉山キャンパス 情報科学研究科棟 2階中講義室 |
概要: | 2009年1月16日㈮ 15:20−18:00 情報科学研究科棟2階中講義室において、第7回ワークショップを開催いたしました。 |
14:50
開場
15:20−16:10
片山 統裕 氏 (東北大学情報科学研究科)
ニューロンの細胞内空間における酵素分子の時空間ダイナミクス
ニューロンの興奮性の調節やシナプス可塑性において重要な役割を担っているC型タンパク質リン酸化酵素(PKC)は、その酵素活性と関連して細胞内局在が変化する性質を有する(トランスロケーション)。
GFP-γPKC融合タンパクを発現させたマウス小脳プルキンエ細胞において、平行線維シナプスの高頻度刺激に伴い、刺激部位近傍から樹状突起に沿ってトランスロケーションが伝播する現象が報告されている。 最近、坪川は、同じ刺激条件で樹状突起内をほぼ同速度で伝播する細胞内Ca2+波が生じることを見出し、これがγPKCトランスロケーション波をリードしている可能性を指摘した。
本研究では、生理学的・解剖学的知見に基づいたプルキンエ細胞の数理モデルを構築し、Ca2+波の再現を試みた。その結果に基づき、トランスロケーション伝播のメカニズムと機能的意義について考察する。
16:10−16:30
自由討論
16:30−17:20
佐藤 耕世 氏 (東北大学国際高等研究教育機構)
ショウジョウバエの性行動の性差を生み出す脳の仕組み
雄と雌の行動には様々な点で違いがある。例えば、雄は同種の異性を惹きつけ交尾に導くために、しばしば誇張され儀式化された種に特有の求愛行動を行う。一方、雌は一見したところ受動的ではあるが、求愛してきた雄を拒むか、それとも受容するかを決定するのは雌である。このような行動の違いは、行動を生む器官である脳の性差に根ざしていると考えられる。私たちは脳の性差が行動の性差を生み出す仕組みを解明するために、モデル生物であるキイロショウジョウバエを用いて研究を行ってきた。本セミナーでは、私たちの研究により明らかになってきた、脳の一部の神経細胞の性差が性特異的な行動を生み出すメカニズムの一端を紹介する。
17:20−
自由討論