【投稿日】2009.7.29
活発な意見交換が行われ、大変有意義な会となりました。 ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
日時: | 7月28日㈫ 13:30−16:00 |
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場所: | 青葉山キャンパス学際科学国際高等研究センター大セミナー室 |
概要: | 2009年7月28日㈫ 13:30−16:00 青葉山キャンパス・学際科学国際高等研究センター大セミナー室において開催されました。今回は量子力学の応用に着目して、物理学と化学から講師の先生をお招きして開催されました。 |
13:30−14:20
平山 祥郎 氏(東北大学理学研究科、ERATO-NSEP)
半導体における量子ホール効果と核スピン制御
電荷やスピンを有する粒子がどのように相互作用するかは重要な課題である。意外かもしれないが、このような振る舞いを不純物に邪魔されずに実験できる舞台として現在、最も進んでいるのが半導体量子井戸中の高品質二次元系と強磁場の組み合わせである。
最高水準のAlGaAs/GaAs中では電子は散乱されずに0.1mmも動くことができ、整数量子ホール効果に加えて様々な分数量子ホール効果が観測されている。分数量子ホール状態をうまく使うと、半導体中で核スピンを制御することも可能になる。核スピンの制御により、核スピン量子ビットが期待されるだけでなく、高品質半導体でNMR測定が可能になる。
感度の高いNMR測定を用いることで、スカーミオンや傾角スピン状態など、二次元系にユニークなスピン状態が明瞭になってきた。 分数量子ホール効果、高感度NMR、核スピンと電子スピンドメインの相互作用に関しては現在も面白い実験が進行中であり、これらの話題に関して、何が分かったかよりも何が分かっていないかに焦点をあてて話したいと考えている。
14:20−14:40
自由討論
14:40−15:30
保木 邦仁 氏(東北大学理学研究科化学専攻)
第一原理分子動力学法による化学反応のシミュレーション
本研究では、第一原理分子動力学法を用いてイオン化に伴う分子構造変化の機構解明を目指す。当日は、フェノール—アルゴンクラスターの構造転移およびシクロオクタテトラエンのリング反転・結合交代異性化を例にとり、電子・核の運動を解くことにより、化学結合の消滅・生成に対する知見が深まる様子を示す。
17:00−
自由討論