【投稿日】2011.1.25
大変興味深い講演ばかりで、ぜひ今後も注目していきたいと思います。
講演者の皆様、参加いただいた皆様、ありがとうございました。
日時: | 2011年1月24日㈪ 13:30−17:30 |
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場所: | 青葉山キャンパス学際科学国際高等研究センター大セミナー室 |
概要: | 2011年1月24日㈮に青葉山キャンパス・学際科学国際高等研究センター大セミナー室において開催いたしました。 今回のテーマは「生物規範光学材料設計」です。 |
13:30−14:15
吉岡 伸也 氏(大阪大学)
チョウの翅の微細構造と光学特性
いモルフォチョウを代表例として、鮮やかな色を持つチョウは、複雑な微細構造を用いて発色を実現している.鱗粉内部の構造は、光の干渉を引き起こす周期性に加えて不規則な要素を併せ持ち、さらには全く異なる構造が上下に積層したハイブリッドな構造を持つ種類もいる.チョウの微細構造が引き起こす光学現象についていくつかの例を紹介し、生物規範光学材料設計のヒントにしたい。
14:30−15:15
不動寺 浩 氏(物質・材料研究機構 光材料センター)
チューナブル構造色材料
コバルトブルー(ルリスズメダイ)やネオンテトラの熱帯魚、イカ、タコある種の生物では構造色が変化することが知られている.また、マンドリル(猿)の頬の色がコラーゲン繊維による構造色で同様に変色することが報告されている.近年、この構造色変化にヒントを得た新材料開発が試みられている。講演者は高品質なオパール結晶薄膜の形成プロセスを開発し、さらに構造色が変化する新材料を設計した.これまでの研究とその応用についてご紹介したい。
15:30−16:15
魚津 吉弘 氏(三菱レイヨン株式会社 横浜先端技術研究所)
蛾の目を模倣したスーパー反射防止フィルムの開発
ディスプレイの外光による影響の低減の最も有効な手段が、蛾の目の表面構造を模倣したモスアイ型反射防止フィルムである.このモスアイフィルムを大量に安価に製造することを目的に、アルミナナノホールアレイを用いた連続ロール光インプリントの技術開発を進めている。
16:30−17:15
針山 孝彦 氏(浜松医科大学)
森の宝石−発色の仕組みと輝きの意味
甲虫目に属するヤマトタマムシの鞘翅は、高い反射率をもつ.これは、長い年月を経ても色の変化を起こさない翅の表層の構造による発色による.数億年の年月を経て進化をとげた昆虫類の翅の色の仕組みと、昆虫間における信号としての意味について考えたい。