数学を使おう!フォーラムで楽しくお話してみませんか?

ワークショップ情報

第20回ワークショップ

【投稿日】2011.7.1

概要

日時: 2011年6月29日㈬ 15:00−17:00
場所: 青葉山キャンパス 情報科学研究科棟 2階大講義室

プログラム内容

14:50

開場


15:00−15:50

小川智久先生 (東北大学大学院生命科学研究科)

講演題目

真珠の輝きの秘密:タンパク質による真珠アラゴナイト結晶系および配向性の制御

内容

生物や生物がつくりだすものの形・模様は、多種多様であるが、 規則正しい構造や美しいパターンを示す。しかし、個体によって 異なるなど、ランダムであり複雑な面も併せもつ。 生物がつくりだすバイオミネラル(硬組織)もその一つである。 真珠貝は、外殻のカルサイトと真珠層であるアラゴナイトの異なる 2種の炭酸カルシウムの結晶系をみごとに作り分けている。 特にアラゴナイト結晶を規則正しく積み重ねたレンガ構造は、 真珠の美しい光沢にも関係する。 本講演では、マベ真珠のアラゴナイト結晶形成を制御しているタンパク質 について紹介する。最近の研究で、真珠形成に関わる役者(タンパク質) が出そろいつつあるが、どんなストーリーで、どのように振る舞い 劇を完結するのか(真珠となるのか)? まだまだ不明である。 そのため、試験管の中で容易に真珠をつくりだすことはできていないが、 数学(数理的解析)の力を借りれば、それも可能になるかもしれない。


15:50−16:10

自由討論


16:10−17:00

吉田徹彦先生 (東亞合成株式会社先端科学研究所所長、慶應義塾大学先導研究センター)

講演題目

ペプチド創薬ー細胞膜透過性ペプチドと抗菌ペプチドの観点から

内容

HIV-1 ウイルス由来の TAT(Trans-Activator of Transcription Protein)、及び ショウジョウバエ由来のANT(Antp43-58 (Penetratin) derived from the homeodomain of the Drosophila melanogaster transcription factor)が細胞膜を 通過し、細胞質内へ移行することが、それぞれ1989年、1991年に報告されて以来、 この様な機能を有するペプチドが数多く発見され、細胞膜透過性ペプチド (Cell Penetrating Peptide:CPP)と総称されるようになりました。その後、CPP をタンパク質,ペプチド、低分子化合物に結合することで、これらの分子を細胞内 へ導入し機能させる技術が開発され,ドラッグデリバリーシステム(Drug Delivery System)をはじめとする様々な分野で研究が進められています。またCPPの多くは抗 菌機能を有しており,抗菌ペプチド(Antimicrobial Peptide:AMP)としての特徴を 兼ね備えています。本ワ−クショップにおいて我々の研究室の最新の成果を交えな がら、CPPとAMPを中心にペプチド創薬への展望を考えたいと思います。

ポスター用の要旨

「トロイの木馬」であり「魔法の弾丸」にもなり得る細胞膜透過性ペプチドを創薬の観点から概観する。

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