数学を使おう!フォーラムで楽しくお話してみませんか?

ワークショップ情報

第22回ワークショップ

【投稿日】2011.10.7

概要

日時: 2011年10月6日㈭ 15:00−17:00
場所: 青葉山キャンパス 情報科学研究科棟 2階大講義室
概要: 幾何学者の知恵を借りたいという脳科学者の講演と、トポロジーの応用を目指す数学者の講演を抱き合わせてみました。 知恵をお貸しいただける幾何学者の方はぜひご参加を願います!!!

プログラム内容

14:50

開場


15:00−15:50

細谷俊彦 先生 (理化学研究所脳科学総合研究センター)

講演題目

脳に基本単位回路はあるか

内容

大脳新皮質は脳の大きな部分を占め、感覚、運動、記憶、行動計画など様々な高次精神機能を担っています。 このため、大脳新皮質の回路がどのような情報処理を行っているかを知ることは神経科学の大きな目標の一つです。 大脳新皮質の神経細胞は数百種類程度あると考えられており、これらが作る回路の構造については不明な点が多く、 このことが大脳新皮質理解の大きな障害になっています。 もし大脳新皮質が小規模な回路が規則的に繰り返した構造を持っていれば、 繰り返しの1単位を詳細に解析することにより回路全体への理解が深まると考えられます。 私たちは、遺伝子工学と統計解析を用いた手法により、
1. 大脳新皮質の主要な出力神経細胞が繰り返し構造を作っている
2. 繰り返しの1単位に含まれる細胞は互いに関連した活動を示す
3. この構造は大脳新皮質のなかで異なる機能を担う部位でも共通してみられる
などの知見を得ました。 これらの結果は、大脳新皮質が、小規模な回路が繰り返した構造を持つ可能性を示しています。 繰り返し構造の機能解析やさらなる微細構造の探索にどのような数理的手法が有効か、 またこのような基本単位回路が繰り返した並列計算機として大脳新皮質をモデル化できる可能性などについて議論できればと思います。


15:50−16:10

自由討論


16:10−17:00

平岡裕章 先生 (九州大学マス・フォア・インダストリ研究所)

講演題目

タンパク質構造とトポロジー

内容

本講演ではタンパク質の構造解析へ向けた計算ホモロジーの応用に ついて解説します.タンパク質のファンデルワールス球体モデルはCech複体 によってホモトピー型が決定するので,そのホモロジー群は数値的に 求めることが可能となります.またファンデルワールス半径パラメーターが自 然に1次元フィルトレーション構造を定めますが,これによりパーシステント・ ホモロジー群も取り扱うことが可能となります.本講演ではこれらの基本的な 道具を用いて以下の話題を考察します:
1. パーシステント・ホモロジー群とタンパク質の圧縮率の関係
2. 圧縮センシングを用いた最小生成元探査と空洞検出
なお数学的予備知識はほぼ仮定せずに、数学の非専門家向けに解説を試みる予定です。

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