【投稿日】2012.5.21
日時: | 2012年5月18日㈮ 15:00−17:00 |
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場所: | 青葉山キャンパス 情報科学研究科棟 2階中講義室 |
問合せ: | 長谷川雄央(情報科学研究科 数学連携推進室) |
15:00−15:50
鳥海 不二夫 氏(東京大学大学院工学系研究科)
公共財ゲームとしてのソーシャルメディア ~なぜ人はSNSを利用するのか?~
近年,ソーシャルメディアの発達が目覚しく,FacebookやTwitterなど数多くのソーシャルメディアがWEB上で運営され,多くのユーザによって利用されている.ソーシャルメディアは,多数のユーザの自発的な情報提供が継続的におこなわれることで価値がうまれるメディアである.ユーザの自発的な参加には当然,情報の生成・投稿のコストが必要であり,自ら貢献することなくフリーライドする誘因が存在する.ソーシャルメディアにおいてユーザがコンテンツを生成・加工するコストを負担しながらも自発的に参加し続けている背景にはどのようなメカニズムがあるのであろうか. 本研究では,ソーシャルメディア上の投稿・コメントなどの行動を公共財ゲームの枠組みを用いて表現し,Axelrodの規範ゲーム,メタ規範ゲームを拡張したモデルを用いて,ソーシャルメディア上で自発的な情報提供が達成される条件を明らかにする.
15:50−16:10
自由討論
16:10−17:00
増田 直紀 氏(東京大学大学院情報理工学系研究科)
ネットワークの中心性に基づく個人スポーツの動的なランキング
ネットワークの視点からは,スポーツのプレーヤーやチームの順位付けを行うことは,スポーツのネットワークにおける頂点の中心性を定めることである. スポーツのネットワークとは,例えば1つの試合で勝ったプレーヤーから負けたプレーヤーへと方向つきのリンクを置いてできる有向グラフである. ネットワークの方法を用いる順位付けは,特に2005年くらいから研究が盛んである.これらは,試合の時刻を無視した,静的なネットワークに対する中心性指標であった. すなわち,ある時間範囲に起こった全てのゲームの試合を重ね合わせて1つのネットワークとし,固有ベクトル中心性やページランクと呼ばれる中心性指標に近い中心性指標を定義する. しかし,特に個人スポーツにおいて,プレーヤーの強さは時間とともに変化する.本発表では,動的なランキング手法を提案し,男子プロテニスのデータに適用した結果を紹介する. 既存手法よりも試合結果の予測精度が高いことや,2つあるパラメータに関して我々の結果が頑健であることなどを説明する.