数学を使おう!フォーラムで楽しくお話してみませんか?

ワークショップ情報

第42回ワークショップ

【投稿日】2014.6.16

概要

日時: 2014年6月16日㈪ 15:00−17:00
場所: 青葉山キャンパス 情報科学研究科棟 2階中講義室
世話人: 中澤嵩

プログラム内容

15:00−15:50

百武 徹 氏(横浜国立大学工学部)

講演題目

微小血管における人工赤血球の酸素運搬過程に関する研究

内容

急速な少子高齢化の到来に伴う輸血用血液製剤不足の解消,また現行の血液製剤に対する様々なリスクの軽減を目指し,現在,赤血球製剤の代替物として,ヘモグロビンをリポソームに封入したカプセル型人工赤血球の開発が進められている.本講演では,微小血管網での赤血球および人工赤血球の組織への酸素運搬過程に関して,血管内だけではなく血管外の組織までも含めた各成分の対流,拡散,反応の解析を行った研究例について紹介する.解析手法としては流体に対しては格子ボルツマン法を適用,赤血球に関しては、埋め込み境界法を用いて赤血球の変形を計算している.人工赤血球による酸素不均一性改善効果を示すとともに,粒子径の違いにより同じ酸素分圧でも酸素供給量が異なるという結果は,組織への酸素供給という観点から人工赤血球の設計において重要な情報となり得ると考えている.


16:10−17:00

長山 雅晴 氏(北海道大学電子科学研究所、JST CREST)

講演題目

表皮構造の数理モデル

内容

皮膚の重要な機能の一つとして,体内からの水分蒸発や体外からの細菌の侵入を防ぐバリア機能が知られている.この機能は皮膚の表面にある角質細胞とその細胞間を埋めている細胞間脂質が担っており,バリア機能が恒常的に保たれることは非常に重要である.バリア機能の恒常性は皮膚疾患や老化によって低下し,皮膚感覚異常等の問題を引き起こす.我々は,生理学を基盤とした数理モデリングからバリア機能の恒常性維持機構を数理的視点から明らかにすることによって,バリア機能の恒常性維持とその低下要因に対する生理学的機構を示唆することを目的としている.そのために,まず表皮構造を形成する数理モデルの構築を目指す.本研究では,表皮細胞内でのカルシウムイオンダイナミクスを基盤として細胞運動ダイナミクスを考慮した表皮構造数理モデルを提案する.数理的視点からバリア機能の恒常性維持の定義を与え,その定義に基づいて恒常性維持のメカニズムを議論していく.

ページの先頭へ