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ワークショップ情報

第50回ワークショップ

【投稿日】2017.01.11

概要

日時: 2017年1月11日㈬ 16:30–17:30
場所: 青葉山キャンパス 情報科学研究科棟 2階大講義室
備考: 情報科学研究科研究科重点プロジェクト「数学と諸分野の協働推進による学際的・総合的な新領域研究の開拓」第3回講演会を兼ねています。

プログラム内容

16:30–17:30

坂上 貴之 氏 (京都大学大学院理学研究科)

講演題目

応用複素関数論による流体数理コンセプトモデルと諸分野連携

概略

二次元非粘性・非圧縮流体が正則関数と等価であることは,はるか100年以上も前から知られた古典的事実であり,当時の翼理論などに代表される工学的な諸問題の多くは複素関数論を通して本質的な理解が進められてきた.京コンピュータに代表される大規模数値計算が利用可能な現代にあって,こうしたいわゆる「素朴すぎる」とも言える数理モデルにはもはや解決できるような課題はないのだろうか?確かに工学的に流体運動を記述する偏微分方程式などが明確な問題であれば,それを数値計算で解けば定量的な近似値は得られるが,我々はその対象となる問題がこれまでに扱われなかった,例えば環境や生命現象に関わるものであるような場合,依然として定性的側面や本質的なメカニズムの理解においてこうした素朴な流体モデルは我々に教えてくれることは多い.同時に,こうした古典的な重要性に鑑みて100年以上前にスタートした複素関数論の応用数学研究が長い時を経て他の数学分野の発展や計算機などとのつながりを得て日々進歩し,現在,新しい応用研究の萌芽として再発見されつつある.本講演では,講演者がJSTさきがけやCRESTから始まり現在に続く一連の研究を紹介し,数学と諸分野について,数学者の立場としての連携のあり方,またこれらのモチベーションが新しい数学としての研究対象を生み出す協調関係につながるかどうかの可能性などについて,参加者の皆さんと議論できればと考えている.

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