【投稿日】2017.02.24
日時: | 2017年2月23日㈭ 15:10–16:10 |
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場所: | 青葉山キャンパス 情報科学研究科棟 2階大講義室 |
備考: | 情報科学研究科研究科重点プロジェクト「数学と諸分野の協働推進による学際的・総合的な新領域研究の開拓」第8回講演会を兼ねています。 |
15:10–16:10
井上 歩 氏 (愛知教育大学数学教育講座)
対象を代数化することで見えてくる世界(紐の絡まりを表現する方法)
近年,高分子といった複雑な構造を代数化して,その構造や性質を解析するという手法(パーシステントホモロジー)が脚光を浴びている.このように対象を代数的に表して解析することは,今後の科学の発展にも重要な手法と言える.そこで本講演では,紐の絡まりを対象として,これがカンドルという代数で表現できることを紹介する.紐状の物質の絡まりは DNA やタンパク質構造といった形で自然界に遍在しており,この代数化はこれらの研究にも応用が期待できる.例えば,絡まった紐をカンドルとして表すことで,そのキラル性を簡潔に表現することができる.また本講演では,絡まった紐からどのような思考を経てカンドルという代数を想起するのか,その仕組みについても解説する.