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ワークショップ情報

第69回ワークショップ

【投稿日】2018.10.04

概要

日時: 2018年10月4日㈭ 16:00–17:30
場所: 青葉山キャンパス 情報科学研究科棟 6階小講義室
備考: 情報科学研究科研究科重点プロジェクト「数学と諸分野の協働推進による学際的・総合的な新領域研究の開拓」第22回講演会を兼ねています。

プログラム内容

16:00–17:30

中田 芳史 氏 (東京大学)

講演題目

量子情報科学とユニタリ・デザイン

概略

物理法則に支配されたこの世界で実現しうる究極の情報処理とは何だろうか。そんな問いかけに答え、あわよくば実際に実現しようとする学問が、量子論と呼ばれる物理の基本法則と情報科学を融合させた量子情報科学である。量子論においてはしばしば非直感的な現象が起こるが、そのような奇妙な量子現象を情報処理に活用することで、性能が飛躍的に向上する場合がある。量子情報科学では、そういった量子論に基づく情報処理の可能性と限界を見極めるべく、日々、研究を行っている。そんな量子情報科学において、ここ数年、注目を浴びているのがユニタリ・デザインと呼ばれるユニタリ群上での確率分布である。ユニタリ・デザインは、ある意味で量子論における "ランダムな操作" に対応するもので、多くの量子情報処理に役立つ貴重なリソースとなっている。その一方で、ユニタリ・デザインに対応する操作を実験で実現することは容易ではないという欠点も併せ持つため、実験的に易しい手法で実現可能なユニタリ・デザインの構成方法を求めて、多くの研究が行われている。本講演ではまず、量子情報科学の簡単な紹介を行った上で、実験的に簡潔なユニタリ・デザインの構成方法について、近年の研究進展を踏まえつつ詳しく解説する予定である。また、講演者らによって発見された構成方法に関連する組み合わせ論の問題についても紹介したいと考えている。

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