日時 | 2025年9月24日㈬ 16:30から17:30まで |
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場所 | 東北大学 大学院情報科学研究科 (青葉山キャンパス) 情報科学研究科棟 2階中講義室 |
講演者 | 川平 友規 氏 (一橋大学) |
題目 | Mandelbrot 集合と Julia 集合の局所的類似性 |
備考 | 9月24日㈬~30日㈫に集中講義も行われます。 |
概要 | 複素多項式力学系のカオス部分は Julia 集合とよばれ,複雑なフラクタル構造(自己相似性)を持つコンパクト集合となることが知られている.とくに,正規化された$2$次多項式族 $f_c(z)=z^2+c$($c$ は複素パラメーター)全体を考えるとき,Julia 集合が連結であるようなパラメーター $c$ の全体を Mandelbrot 集合という.Mandelbrot 集合自体もコンパクト集合で,ある種の自己相似性を持つことが知られているが,本講演では,この集合がもつ「Julia 集合由来の相似性」について解説したい.具体的には,Mandelbrot 集合の境界に (1) Julia 集合そのものが埋め込まれている,あるいは (2) Julia 集合を切り貼りしたような形状が現れる,といった,視覚的にも面白い現象について,その理論的な側面もふまえた解説をしたい.また,その高次元版を探る試みについても紹介する. |
日時 | 2025年9月24日㈬~30日㈫ |
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場所 | 東北大学 大学院情報科学研究科 (青葉山キャンパス) 情報科学研究科棟 6階609演習室 |
講師 | 川平 友規 氏 (一橋大学経済学研究科 教授) |
概要 | 本講義では,複素$1$変数の有理関数が生成するリーマン球面上の力学系理論を概説する.とくに,有理関数の族が与えられたときに,それぞれが生成する力学系を適切に分類することを目標として,パラメーター空間(一般には,有理関数の係数空間内の解析的集合を考える)における「分岐集合」の構造を調べる.「分岐集合」とは力学系が質的に変化するパラメーター集合であり,$2$次多項式族における「マンデルブロー集合」(の境界部分)はその典型的かつ基本的な例となっている.このような分岐集合がもつ複雑なフラクタル構造に説明を与えることも本講義の目標である. |