日時 | 2012年9月10日(月) 16:00−17:30 |
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場所 | 青葉山キャンパス 情報科学研究科棟 2階大講義室 |
世話人 |
長谷川雄央、尾畑伸明、三浦佳二 SMARTプログラム"複雑ネットワーク・サマースクール" / CMRU研究会"ネットワーク科学の数理と展開"の一環として開催されます。 |
16:00--17:30 | Dimitri Volchenkov 氏(Bielefeld University)
◆ 講演題目 Random Walks and Diffusions on Graphs and Databases ◆ 内容 Most networks and databases that humans have to deal with contain large, albeit finite number of units. Their structure, for maintaining functional consistency of the components, is essentially not random and calls for a precise quantitative description of relations between nodes (or data units) and all network components. Classical graph theory has been developed in regard to its applications in urban planning, transport, energetics, and many other fields. The general optimization mindset dominating these researches had addressed to graph theory the questions which were often related to finding the shortest path between nodes, as being of the minimum time delay for information transmission and of the minimum cost for connection maintenance. Not surprisingly, the very definition of distance between two vertices in a graph is given as the geodesic distance, i.e., the shortest path connecting them. In contrast to classical graph theory paying attention to the shortest paths of least cost, in our approach all possible paths between the two vertices in a connected graph are taken into account, although some paths shall be more preferable than others. Such a formulation of graph theory can be called as of a "path integral". Random walks respecting all graph symmetries assign a probability to each path in the graph to be traversed by a random walker. Perhaps, the most interesting fact about such a "path integral" approach to graphs is that the probabilistic distance naturally induces a Euclidean metric on a graph (sometimes called the 'diffusion metric', or the 'effective resistance metric') allowing for a geometric representation of the relationships between vertices in a graph, in terms of distances and angles, as in Euclidean geometry of everyday intuition. The probabilistic geometry provides us with the necessary basis for consistently discussing a number of applications such diverse as electric resistance networks, estimation of land prices, urban planning, linguistic databases, music, and gene expression regulatory networks |
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日時 | 2012年7月10日(火) 15:00−17:00 |
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場所 | 青葉山キャンパス 情報科学研究科棟 2階中講義室 |
問合せ | 瀬川 悦生(情報科学研究科 数学連携推進室) |
15:00--15:50 | 日比 孝之 氏(大阪大学大学院情報科学研究科教授)
◆ 講演題目 ホロノミック勾配降下法入門 ◆ 内容 ホロノミック勾配降下法は、ホロノミックな分布族の最尤推定量の計算のための、従来の手法の限界を遥かに越える、 斬新な汎用的方法であり、JST CREST 日比チームの最も顕著な成果の一つである。 そのアルゴリズムはD加群のグレブナー基底の理論を駆使する、代数学と数値計算の融合アルゴリズムであり、フィッシャー・ビンガム分布など、空間統計学で重要なパラメータ次元の高い分布についても適用可能である。 講演では、D加群、グレブナー基底、統計学の知識を仮定せず、最尤推定の具体例を使い、ホロノミック勾配降下法を紹介する。 |
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15:50--16:10 | 自由討論 |
16:10--17:00 | 大杉 英史 氏(立教大学理学部教授)
◆ 講演題目 トーリックイデアルと統計学 ◆ 内容 トーリックイデアルとは、単項式で生成される半群環の定義イデアルであり、二項式で生成される素イデアルである。 グレブナー基底理論を適用することによって、凸多面体の三角形分割、整数計画問題、統計学(分割表の検定)など、多くの分野への応用が知られている。 本講演では、トーリックイデアルの定義や性質について概説し、特に、統計学(分割表の検定)への応用について、最近の結果を含めて紹介する。 |
日時 | 2012年5月18日(金) 15:00−17:00 |
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場所 | 青葉山キャンパス 情報科学研究科棟 2階中講義室 |
問合せ | 長谷川雄央(情報科学研究科 数学連携推進室) |
15:00--15:50 | 鳥海 不二夫 氏(東京大学大学院工学系研究科)
◆ 講演題目 公共財ゲームとしてのソーシャルメディア ~なぜ人はSNSを利用するのか?~ ◆ 内容 近年,ソーシャルメディアの発達が目覚しく,FacebookやTwitterなど数多くのソーシャルメディアがWEB上で運営され,多くのユーザによって利用されている.ソーシャルメディアは,多数のユーザの自発的な情報提供が継続的におこなわれることで価値がうまれるメディアである.ユーザの自発的な参加には当然,情報の生成・投稿のコストが必要であり,自ら貢献することなくフリーライドする誘因が存在する.ソーシャルメディアにおいてユーザがコンテンツを生成・加工するコストを負担しながらも自発的に参加し続けている背景にはどのようなメカニズムがあるのであろうか. 本研究では,ソーシャルメディア上の投稿・コメントなどの行動を公共財ゲームの枠組みを用いて表現し,Axelrodの規範ゲーム,メタ規範ゲームを拡張したモデルを用いて,ソーシャルメディア上で自発的な情報提供が達成される条件を明らかにする. |
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15:50--16:10 | 自由討論 |
16:10--17:00 | 増田 直紀 氏(東京大学大学院情報理工学系研究科)
◆ 講演題目 ネットワークの中心性に基づく個人スポーツの動的なランキング ◆ 内容 ネットワークの視点からは,スポーツのプレーヤーやチームの順位付けを行うことは,スポーツのネットワークにおける頂点の中心性を定めることである. スポーツのネットワークとは,例えば1つの試合で勝ったプレーヤーから負けたプレーヤーへと方向つきのリンクを置いてできる有向グラフである. ネットワークの方法を用いる順位付けは,特に2005年くらいから研究が盛んである.これらは,試合の時刻を無視した,静的なネットワークに対する中心性指標であった. すなわち,ある時間範囲に起こった全てのゲームの試合を重ね合わせて1つのネットワークとし,固有ベクトル中心性やページランクと呼ばれる中心性指標に近い中心性指標を定義する. しかし,特に個人スポーツにおいて,プレーヤーの強さは時間とともに変化する.本発表では,動的なランキング手法を提案し,男子プロテニスのデータに適用した結果を紹介する. 既存手法よりも試合結果の予測精度が高いことや,2つあるパラメータに関して我々の結果が頑健であることなどを説明する. |
日時 | 2012年4月20日(金) 15:00−17:00 |
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場所 | 青葉山キャンパス 情報科学研究科棟 2階大講義室 |
15:00--15:50 | 楯 辰哉 氏(名古屋大学大学院多元数理科学研究科)
◆ 講演題目 一次元量子酔歩に対する Plancherel-Rotach 型の漸近公式 ◆ 内容 量子酔歩とは、1993 年に Aharonov-Davidovich-Zagury により通常の酔歩の量子論的類似物として導入され、その後、量子コンピューティングの世界で再発見された概念である。 定義自身は至って単純であるが、その長時間挙動については、今野紀雄教授による弱極限分布の導出以外には、ほとんど知られていなかった。 この講演の目的は、最近の砂田利一教授との共同研究で得られた、量子酔歩の推移確率の長時間挙動についての結果をご報告することにある。 この結果は、表題にある Plancherel-Rotach の公式という Hermite 関数の漸近挙動についての古典的な公式との類似点を、多く含んでいる。 そこで講演では、まず Plancherel-Rotach の公式とその物理的な意味を解説する。 しかし量子酔歩も酔歩の一種であり、一般に酔歩と Hermite 関数は、直接的な関連性は薄い。 そこで次に古典的な酔歩の種々の極限定理を復習したのち、量子酔歩を導入し、上述の今野教授の定理を説明し、そして主結果を解説する。 主結果の解説により、量子酔歩と Hermite 関数に対する Plancherel-Rotach の公式の、少なくとも漸近解析的な類似性が浮き彫りにされる。 本講演の最後に今後の問題についても議論したい。 |
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15:50--16:10 | 自由討論 |
16:10--17:00 | 瀬川 悦生 氏(東北大学大学院情報科学研究科)
◆ 講演題目 量子ウォークの挙動と固有値分布 ◆ 内容 線形的拡がり(ballistic spreading)と局在化(localalization)と呼ばれる性質は、量子探索などにおける効能を保証すると考えられている量子ウォークの特徴的な性質である. そして様々な量子ウォークモデルが, 線形的拡がりを表す今野関数(2002)と, 局在化を表すデルタ関数の凸結合で表される極限分布により,この相反する性質を共存させていることが証明されている. この発表では, 一次元上の比較的様々な量子ウォークモデルの解析に適用範囲が広いと考えられている, 固有値解析の方法を扱う. そして,量子ウォークの挙動を固有値分布の観点から見たときに, どのようになっているかについて考察する. |
Date and Time | March 14, 2012 (Wed) 15:00-17:00 |
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Place | Large Lecture Hall, 2nd floor, Graduate School of Information Sciences, Tohoku University (Aobayama campus) |
15:00--15:50 | Arvind Kumar (University of Freiburg, Germany)
Title The critical role of striatal inhibition in shaping the oscillatory activity in the basal ganglia Abstract Movement disorders in Parkinson’s disease (PD) are commonly associated with slow oscillations and increased synchrony of neuronal activity in the basal ganglia (subthalamic nucleus - STN, and globus pallidus external- GPe). We investigated the dynamics of the basal ganglia using a reduced mean field model, which resembles the Lotka-Volterra equations used in modeling predator-prey relations in population biology. This model allowed us to isolate several biological plausible mechanism that could induce oscillations. Specifically, I will discuss how both firing rate and correlations among inhibitory inputs from the striatum to the GPe (i.e. increased inhibition of inhibitory network) control the oscillations in the basal ganglia. Consistent with experimental observations, we found that increase in either of these can unleash the oscillations in the basal ganglia, similar to that observed in the PD. This observation allows us to propose a unified explanation for different phenomena: absence of oscillation in the healthy state of the basal ganglia, oscillations in dopamine-depleted state and quenching of oscillations under deep-brain-stimulation (DBS). Finally, studying the model behavior under transient increase of activity of the striatal neurons projecting to the indirect pathway, we are able to account for both motor impairment in PD patients and for reduced response inhibition in DBS implanted patients. |
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15:50-16:10 | Free Discussion |
16:10--17:00 | Uzy Smilansky (Weizmann Institute of Physical Sciences, Israel)
Title Nonlinear Schroedinger Equation on Networks Abstract Transmission through a complex network of nonlinear one-dimensional leads is discussed by extending the stationary scattering theory on quantum graphs to the nonlinear regime. The resonances which dominate linear scattering are shown to be extremely sensitive to the nonlinearity and display multi-stability and hysteresis. This work provides a framework for the study of light propagation in complex optical networks, and for studying universal properties of Bose-Einstein Condensate (BEC) in connected chaotic traps. |
日時 | 2012年1月26日(木) 13:30−17:00 |
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場所 | 青葉山キャンパス 情報科学研究科棟 6階小講義室 |
13:30--15:30 | 戸田 晃一 氏(富山県立大学大学院工学研究科)
◆ 講演題目 「広田の双線形化法」の多重線形化について ◆ 内容 ソリトン方程式の解を構成する手法の一つに,広田の双線形化法(または直接法)がある。 解を求めたいソリトン方程式に対し「適当な」従属変数変換をおこない,「広田微分」とよばれる微分演算子を用いて,双線形形式に帰着させる。 この手法は簡便にして非常に強力なことで知られる。 本講演の前半では,広田の双線形化法について,KdV方程式を例にして,具体的な計算過程を紹介する。 そして講演の後半で,この双線形化法の拡張の一つである,多重線形化について紹介する。 (数学的な厳密性にこだわらずに,アイデアを理解してもらえるように話をしたい。) |
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15:30--15:45 | 自由討論 |
15:45--16:30 | 久保 英夫 氏(東北大学大学院情報科学研究科)
◆ 講演題目 モスアイ構造への数理科学的アプローチ ◆ 内容 モスアイ構造とは、物質表面の微細構造であり、あらゆる角度から侵入してくる光の殆ど全てを吸収するという驚異の光学特性をもつものである。 このような構造が生物のなかに多々隠されており、それを材料設計に応用する学問がバイオミメティクスである。 本講演では、その一端を紹介したい。 更に、無反射ポテンシャルをもつシュレディンガー方程式とのアナロジーから、モスアイ構造の中にソリトンが形成され得る可能性について議論したい。 また、その背景にあるKdV方程式の逆問題とモスアイ構造中の屈折率の同定問題に関する問題提起を行いたい。 |
16:30- | 自由討論 |
日時 | 2012年1月11日(水) 15:00−17:00 |
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場所 | 青葉山キャンパス 情報科学研究科棟 2階大講義室 |
14:50 | 開場 |
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15:00--15:50 | 室井芳史 氏(東北大学大学院経済学研究科)
◆ 講演題目 2項分岐木を用いたグリークスの計算法について ◆ 内容 本講演では離散マリアバン解析を用いた、2項分岐木におけるグリークスの計算法 について議論を行う。この十年間において、マリアバン解析は数理ファイナンスの 基本的な道具になったように感じられる。特に、モンテカルロ法を用いたグリークスの 計算においては、マリアバン解析を用いた計算手法が注目を集めてきた。それに対し、 今回の研究では2項分岐木上でグリークスを計算する方法を考える。そのために 離散マリアバン解析を導入する。一方、基本的な結果の導出の際に用いられる道具は、 すべて初等数学の範囲内で導出されたものである。また、講演の後半では、2項分岐木モデル におけるアメリカ型オプションのグリークスの計算法についても触れたいと考えている。 |
15:50--16:10 | 自由討論 |
16:10--17:00 | 弥永真生 氏(筑波大学大学院ビジネス科学研究科)
◆ 講演題目 法律学における統計学的知見の利用 ◆ 内容 法律学においては、明示的及び黙示的に統計学的な知見が利用されてきている。 民事においては、たとえば、雇用における差別行為の存否の認定、因果関係の認定や 損害賠償額の算定、株価の決定などにおいて、統計学的手法が用いられ、また、刑事に おいても、たとえば、DNA検査は黙示的に統計学的知見を前提としているなど、 統計学的知見の適格な理解が欠かせない。それにもかかわらず、法律学の実務家・研究者は 必ずしも的確に統計学的証拠の限界を把握できず、誤審につながった事案が存在する。 |
日時 | 2011年10月20日(木) 15:00−17:00 |
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場所 | 青葉山キャンパス 工学部 青葉記念会館 大研修室 |
概要 | 「平面のタイリング」と「多面体の展開図」という、目で見て楽しいご講演をしていただくことになりました。 とっつき易さとは裏腹に非直感的なことが起こったり、簡単そうで難しい未解決問題がたくさん残っていたりして、近年多くの数学者や計算機科学者を魅了している研究分野です。 一見関係なさそうなタイリングと展開図にも意外な繋がりがあるので、その点についてもご期待ください。 |
14:50 | 開場 |
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15:00--15:50 | 堀山貴史 先生 (埼玉大学理工学研究科)
◆ 講演題目 回転によるタイリングと繰り返し模様 ◆ 内容 タイリングは、基本図形に平行移動、回転、すべり鏡映などの単純な操作を繰り返し適用することにより、隙間なく重なりなく平面を埋め尽くすことを指す。 タイリングは、たとえばエッシャーの絵画や正倉院裂などの織物に芸術的モチーフとして見られるだけでなく、壁紙やカーテン、着物のデザインなど、身のまわりに広く見受けられる。 本講演では、デザイナーの知的支援を目標に、タイリング可能な基本図形を生成する手法を、特に回転操作によるタイリングに注目して紹介する。 |
15:50--16:10 | 自由討論 |
16:10--17:00 | 上原隆平 先生 (北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科)
◆ 講演題目 複数の多面体を折れる展開図 ◆ 内容 多面体の展開図と言えば,どのようなものを思い浮かべるだろうか? 例えば立方体の展開図として十字架型の紙を思い浮かべる人も多いだろう. しかしこの展開図を上手に折ると,4面体も折れると聞くとどうだろう. 意外なのではなかろうか. 実はこの展開図からは,異なる23種類の多面体を折ることができる. このように,与えられた多角形を展開図としてもつ立体,あるいは逆に与えられた多面体から得られる展開図には,わかっていないことが多い. 本講演では,2種類以上の立体を折れる展開図にテーマを絞り,近年得られた結果や,未解決問題について述べる. |
日時 | 2011年10月6日(木) 15:00−17:00 |
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場所 | 青葉山キャンパス 情報科学研究科棟 2階大講義室 |
概要 | 幾何学者の知恵を借りたいという脳科学者の講演と、トポロジーの応用を目指す数学者の講演を抱き合わせてみました。 知恵をお貸しいただける幾何学者の方はぜひご参加を願います!!! |
14:50 | 開場 |
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15:00--15:50 | 細谷俊彦 先生 (理化学研究所脳科学総合研究センター)
◆ 講演題目 脳に基本単位回路はあるか ◆ 内容 大脳新皮質は脳の大きな部分を占め、感覚、運動、記憶、行動計画など様々な高次精神機能を担っています。 このため、大脳新皮質の回路がどのような情報処理を行っているかを知ることは神経科学の大きな目標の一つです。 大脳新皮質の神経細胞は数百種類程度あると考えられており、これらが作る回路の構造については不明な点が多く、 このことが大脳新皮質理解の大きな障害になっています。 もし大脳新皮質が小規模な回路が規則的に繰り返した構造を持っていれば、 繰り返しの1単位を詳細に解析することにより回路全体への理解が深まると考えられます。 私たちは、遺伝子工学と統計解析を用いた手法により、 1. 大脳新皮質の主要な出力神経細胞が繰り返し構造を作っている 2. 繰り返しの1単位に含まれる細胞は互いに関連した活動を示す 3. この構造は大脳新皮質のなかで異なる機能を担う部位でも共通してみられる などの知見を得ました。 これらの結果は、大脳新皮質が、小規模な回路が繰り返した構造を持つ可能性を示しています。 繰り返し構造の機能解析やさらなる微細構造の探索にどのような数理的手法が有効か、 またこのような基本単位回路が繰り返した並列計算機として大脳新皮質をモデル化できる可能性などについて議論できればと思います。 |
15:50--16:10 | 自由討論 |
16:10--17:00 | 平岡裕章 先生 (九州大学マス・フォア・インダストリ研究所)
◆ 講演題目 タンパク質構造とトポロジー ◆ 内容 本講演ではタンパク質の構造解析へ向けた計算ホモロジーの応用に ついて解説します.タンパク質のファンデルワールス球体モデルはCech複体 によってホモトピー型が決定するので,そのホモロジー群は数値的に 求めることが可能となります.またファンデルワールス半径パラメーターが自 然に1次元フィルトレーション構造を定めますが,これによりパーシステント・ ホモロジー群も取り扱うことが可能となります.本講演ではこれらの基本的な 道具を用いて以下の話題を考察します: 1. パーシステント・ホモロジー群とタンパク質の圧縮率の関係 2. 圧縮センシングを用いた最小生成元探査と空洞検出 なお数学的予備知識はほぼ仮定せずに、数学の非専門家向けに解説を試みる予定です。 |
日時 | 2011年8月11日(木) 15:00−17:00 |
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場所 | 青葉山キャンパス 情報科学研究科棟 2階中講義室 |
14:50 | 開場 |
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15:00--15:50 | 小山内実 先生 (東北大学大学院医学系研究科)
◆ 講演題目 大脳基底核線条体における自発カルシウムリズムの特徴とその機能のシミュレーションによる考察 ◆ 内容 これまでの神経回路に関する研究のほとんどが、活動電位依存的な神経活動に焦点を絞り行われている。 しかし、記憶や学習あるいは神経疾患の過程では、神経回路の状態が活動電位よりはるかに遅い時間スケールで変化していることを鑑みると、遅い状態変化をコードしているシグナルが必要である。 ニューロンあるいはグリア細胞では、代謝型受容体などの活性化に伴い、細胞内カルシウムストアからのカルシウム放出が起こる。このカルシウム放出によるカルシウム濃度上昇は、 どのような機能を持っているかは議論の多いところであるが、カルシウムが細胞内の種々のタンパク質の活性を調節していることを考えると、細胞の状態を規定している因子であることが考えられる。 我々は大脳基底核線条体で、遅い状態変化に関与していると考えられる、非常にゆっくりとした時間経過で細胞内カルシウムが変動する「自発カルシウムリズム」を発見した。 本講演では、カルシウムイメージング法の基礎を説明した上で、線条体における自発カルシウムリズムの特徴、およびその機能のコンピュータシミュレーションによる解析結果について紹介する。 |
15:50--16:10 | 自由討論 |
16:10--17:00 | 町田好男 先生 (東北大学大学院医学系研究科)
◆ 講演題目 MRIの画像形成:原理/発展および画質 ◆ 内容 磁気共鳴診断装置(MRI)は、撮影対象の空間周波数領域(k空間)上で信号を取得するモダリティで、いわばフーリエ変換装置そのものであるといえる。 実空間でデータを取得するX線CT等とは異なる特徴を持っている。 講演では、こうしたMRIの画像形成の原理および現在までの発展について、自身の検討結果も交えながら紹介する。 また、講師は長年医用機器メーカにおいて開発業務に携わってきた経歴であり、医用画像としての画質の問題にかかわってきた。 それについても一部触れたい。 |