日時 | 2015年3月2日(月) 17:30−19:00 |
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場所 | 星陵キャンパス 医学部1号館1F 第1講義室 |
後援 | 東北大学重点戦略支援プログラム「数学をコアとするスマート・イノベーション融合研究共通基盤の構築と展開」 バイオインフォマティクス学会東北支部 |
組織委員 | 三浦佳二,飯田渓太,元池育子,小谷元子,大隅典子 |
17:30--19:00 | 内田直滋 先生 (Professor, Harvard University)
◆ 講演題目 Arithmetic of dopamine reward prediction errors (ドーパミン・ニューロンは何を計算しているのか?) ◆ 内容 It has been proposed that dopamine neurons in the midbrain signal reward prediction errors, that is, the discrepancy between actual and expected reward (Schultz et al., 1997; Bayer and Glimcher, 2005). Reward prediction error = Actual reward - expected reward These signals resemble error signals used to train computers in machine learning or artificial intelligence. However, the mechanism underlying this calculation in the brain remains unknown. To probe how dopamine neurons calculate reward prediction error, we have developed a mouse model that allows us to combine electrophysiology in behaving animals with emerging molecular and genetic techniques (Cohen et al., 2012). In a recent study (Eshel et al., in preparation), we recorded from optogenetically-identified dopamine neurons in the ventral tegmental area (VTA) while mice performed classical conditioning tasks that varied expectation level, reward size, or both. We found that a simple, universal function predicts how individual dopamine neurons will respond to unexpected rewards of various sizes. In the presence of expectation, this function shifts downward in a purely subtractive manner, consistent with the above, canonical prediction error equation. Furthermore, the effect of expectation on each neuron’s reward response multiplicatively scaled with the responsiveness of that neuron. In other words, each dopamine neuron appears to calculate reward prediction error in the same way, but scaled upwards or downwards. Such a process could naturally emerge from a homeostatic balance of excitation and inhibition, and allows each dopamine neuron to contribute fully to the prediction error signal. |
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19:00-- | 希望者で懇親会 |
日時 | 2014年6月19日(木) 17:30−19:00 |
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場所 | 星陵キャンパス 加齢研 プロジェクト総合研究棟1F 中会議室 |
後援 | 東北大学重点戦略支援プログラム「数学をコアとするスマート・イノベーション融合研究共通基盤の構築と展開」 バイオインフォマティクス学会東北支部 |
組織委員 | 三浦佳二,飯田渓太,元池育子,小谷元子,大隅典子 |
17:30--19:00 | 中島千尋 先生 (東北大学WPI-AIMR 助教)
◆ 講演題目 生体高分子の結び目とその計算問題 ◆ 内容 DNAやタンパク質に代表されるように、生体高分子はひも状の構造を持つものが多く、その活性や機能の発現には結び目などのトポロジー構造が密接に関わっている[1-3]。結び目のトポロジーを分析する数学的道具のひとつに結び目不変量があるが、不変量の多くは計算量が大きく、熱揺らぎを受けて変化する結び目構造の分析において難しい点となっている[4]。 本セミナーでは、生体高分子の機能を結び目理論により説明する試みを、成功例、途上の例を織り交ぜつつ紹介する。また、不変量の計算手法として、Jones多項式の計算への、統計力学とモンテカルロ法に基づくアプローチについて述べる。 参考文献 : [1] C. Ernst, and D. W. Sumners, Math. Proc. Camb. Phil. Soc., 108, 489-515 (1990). [2] J. Yan, M. O. Magnasco, and J. F. Marko, Nature, 401, 932-935 (1999). [3] A. V. Vologodskii, et. al, Proc. Nat. Acad. Sci., 98, 3045-3049 (2001). [4] C. Micheletti et. al., J. Chem. Phys., 124, 064903 (2006). |
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19:00-- | 希望者で懇親会 |
日時 | 2014年3月20日(木) 10:30−12:00 |
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場所 | 星陵キャンパス 医学部1号館2F 第2セミナー室 |
後援 | 東北大学重点戦略支援プログラム「数学をコアとするスマート・イノベーション融合研究共通基盤の構築と展開」 バイオインフォマティクス学会東北支部 |
組織委員 | 三浦佳二,飯田渓太,元池育子,小谷元子,大隅典子 |
10:30--12:00 | 合原一幸 先生 (東京大学生産技術研究所,同最先端数理モデル連携研究センター 教授)
◆ 講演題目 動的ネットワークバイオマーカーを用いた未病状態の検出 ◆ 内容 本講演では、我々が研究を進めているFIRST最先端数理モデリングプロジェクの概要を説明するとともに、疾病の予兆を早期に発見して”未病状態”での治療を可能にする動的ネットワークバイオマーカーの概念を紹介する。 この動的ネットワークバイオマーカーは、複雑ネットワーク理論と分岐理論を用いて導出したもので、個々のバイオマーカーの性能自体は低くても,それらのネットワークとしては高い性能,特に疾病の「予兆」検出能力を発揮する、全く新しいバイオマーカーである。 |
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日時 | 2013年12月12日(木) 17:30−19:00 |
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場所 | 星陵キャンパス 医学部1号館2F 第2セミナー室 |
後援 | 東北大学重点戦略支援プログラム「数学をコアとするスマート・イノベーション融合研究共通基盤の構築と展開」 バイオインフォマティクス学会東北支部 |
組織委員 | 三浦佳二,飯田渓太,元池育子,小谷元子,大隅典子 |
17:30--19:00 | 大泉匡史 先生(JSPS SPD Fellow / University of Wisconsin - Madison, Tononi lab / RIKEN BSI, Amari lab)
◆ 講演題目 脳内における情報の統合の定量化 ◆ 内容 睡眠中や全身麻酔などで意識が失われる際には、脳内における“情報の統合”が失われるということが数多くの実験事実によって示唆されている。 従って、脳内でどれだけ情報が統合されているかを定量化することによって、意識レベルを定量化できる可能性があると考えられる。 本セミナーでは、我々が提案する、情報の統合を定量化する手法を紹介する。 この提案手法を用いて麻酔下の猿のECoGデータ(Electrocorticogram, 皮質脳波)を解析した結果も紹介する。 |
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19:00-- | 希望者で懇親会 |
日時 | 2013年7月12日(金) 17:30−19:00 |
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場所 | 星陵キャンパス 加齢研 中会議室 |
後援 | 東北大学重点戦略支援プログラム「数学をコアとするスマート・イノベーション融合研究共通基盤の構築と展開」 バイオインフォマティクス学会東北支部 |
組織委員 | 三浦佳二,飯田渓太,元池育子,小谷元子,大隅典子 |
17:30--19:00 | 井原茂男 先生(東京大学先端科学技術研究センター/東京大学大学院数理科学研究科 数理科学連携基盤センター/東京大学生物医学数学融合拠点)
◆ 講演題目 転写過程のモデリングと動態シミュレーション ◆ 内容 細胞の核内でDNAの情報を読み取って蛋白質をつくるための中間産物ともいえるRNAを産生する転写過程を対象に、報告者らが行ってきた実験と情報解析[1]、数理モデリングとシミュレーションの方法論[2,3]、そこから得られた結果についてその動態研究の観点から概観する。今後の発展性、方向性についても述べてみたい。 参考文献: [1] Wada Ohta et al: A wave of nascent transcription on activated human genes, PNAS 106, 18357-18361 (2009). [2] Y. Ohta, T. Kodama, and S. Ihara, Cellular-automaton model of the cooperative dynamics of RNA polymerase II during transcription in human cells, Phys. Rev. E 84, 041922 (2011) [15 pages]. [3] Y. Ohta, A. Nishiyama, Y. Wada, Y. Ruan, T. Kodama, T. Tsuboi, T. Tokihiro, and S. Ihara, Path-preference cellular-automaton model for traffic flow through transit points and its application to the transcription process in human cells, Phys. Rev. E 86, 021918 (2012) [11 pages]. |
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19:00-- | 希望者で懇親会 |
日時 | 2013年6月3日(月) 17:30−19:00 |
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場所 | 星陵キャンパス 加齢研 中会議室 |
後援 | 東北大学重点戦略支援プログラム「数学をコアとするスマート・イノベーション融合研究共通基盤の構築と展開」 バイオインフォマティクス学会東北支部 |
組織委員 | 三浦佳二,飯田渓太,元池育子,小谷元子,大隅典子 |
17:30--19:00 | 望月敦史 先生(理化学研究所・基幹研究所/東京工業大学・総合理工学研究科)
◆ 講演題目 生物の複雑制御ネットワークを数理的に解明する ◆ 内容 近年の生命科学の発展によって、生命現象に関わる多数の生体分子が同定され、それらの分子が相互作用の複雑なネットワークを作っていることが、様々な現象において明らかにされてきた。しかし、制御ネットワークは生体分子活性の依存関係だけを示しており、ダイナミクスを決定する十分な情報をもたない。これに対して私は、制御ネットワークの構造とダイナミクスと明確に結び付ける強力な理論を構築した。基本アイデアはしごく簡単である。「生体分子の活性ダイナミクスは、それを制御する因子の状態の関数である」、という自明の論理だけを用いる。この論理だけを用いて、システムから作り出されるあらゆるダイナミクスは、ネットワークに含まれる一部の分子の振る舞いのみで捉えられること、またそれらの分子は制御ネットワークの構造だけから決定できることを証明した。例えば、ホヤの初期発生にかかわる遺伝子ネットワークを解析したところ、多数の遺伝子を含む制御ネットワークの中から、遺伝子発現多様性に重要な、ごく少数の遺伝子を抽出できた。このネットワークでは細胞分化に見られる遺伝子発現多様性を説明できない可能性があり、未知の制御の存在が示された。その他、シグナル伝達系など、複数のネットワークを対象にした解析を紹介する。 |
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19:00-- | 希望者で懇親会 |
日時 | 2012年12月11日(火) 17:30−19:00 |
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場所 | 星陵キャンパス 医学部5号館2F 201号室 |
後援 | 東北大学重点戦略支援プログラム「数学をコアとするスマート・イノベーション融合研究共通基盤の構築と展開」 バイオインフォマティクス学会東北支部 |
組織委員 | 三浦佳二,元池育子,小谷元子,大隅典子 |
17:30--19:00 | 本多久夫 先生 (兵庫大学健康科学部 教授)
◆ 講演題目 遺伝子から形への道筋がついた ◆ 内容 遺伝子が形をきめていると考えられている。しかし形のきめかたの具体的な道筋は途切れたままだった。我々は細胞モデルをつくってきたのだが、これは形から遺伝子へさかのぼるアプローチである。たとえば組織が細長くなるとき、細胞にどのような性質があればこうなるかを細胞モデルで調べるのである。個々の細胞に細胞内で特定方向への力が生じたら、細胞の集まりである組織は細長くなることが示せた。 いっぽう遺伝子の方からは、遺伝子発現により物質を合成し、物質の場所を細胞内で片寄らせ得ることが明らかになっている(平面内細胞極性)。ごく最近、遺伝子が力を生じる物質そのものも細胞内で片寄らせ、一方向に力を発する機構が明らかになった。やっと道はつながった。細胞モデルの活躍の場がととのった。 |
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19:00-- | 希望者で懇親会 |
日時 | 2012年6月26日(火) 17:30−19:00 |
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場所 | 星陵キャンパス 医学部5号館2F 201号室 |
後援 | 東北大学重点戦略支援プログラム「数学をコアとするスマート・イノベーション融合研究共通基盤の構築と展開」 バイオインフォマティクス学会東北支部 |
組織委員 | 三浦佳二,元池育子,小谷元子,大隅典子 |
17:30--19:00 | 青木高明 先生 (香川大学教育学部 講師)
◆ 講演題目 ネットワークとしてのシナプス可塑性の解明 : 結合振動子系からのアプローチ ◆ 内容 シナプスレベルでは,神経スパイク活動の時間構造に応じて可塑性を持つことが実験的に分かっている. このようなシナプス結合で繋がったネットワークというのは,神経細胞の集団活動に応じて,どのように回路構造が変化していくのか? また回路構造の変化は神経集団活動にどのような影響を与えるのか? この問題はネットワーク構造と神経集団活動とが相互依存性を持つことで複雑化しており,解明が困難である. 本講演では,神経スパイク活動の発火タイミングのみに注目した数理モデル化を行うことで,結合振動子系としてこの問題へアプローチをする. すなわち従来の振動子系と異なり,シナプス結合のように活動依存的に回路構造が変化する結合力学系の特性を調べる. 位相と結合が共に発展する位相振動子モデルを導入し,その力学系の定常解を調べたところ, 1) 同期神経細胞クラスタの自発的形成 2) 発火順序関係を保持するsplay状態の形成 3) 結合と神経活動の共変化によるカオス状態 といった3状態があることが発見された. 講演ではこれらの振動子モデルによる結果から,コンダクタンスベースのニューロンモデルでの数値解析についても話をしたい. |
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19:00-- | 希望者で懇親会 |
日時 | 2012年4月19日(木) 17:30−19:00 |
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場所 | 星陵キャンパス 医学部1号館2F 第1セミナー室 |
後援 | 東北大学重点戦略支援プログラム「数学をコアとするスマート・イノベーション融合研究共通基盤の構築と展開」 バイオインフォマティクス学会東北支部 |
組織委員 | 三浦佳二,元池育子,小谷元子,大隅典子 |
17:30--19:00 | 伊藤浩之 先生 (京都産業大学コンピュータ理工学部インテリジェントシステム学科 教授)
◆ 講演題目 多細胞記録データのスパイク発火相関解析 - 実験と解析のはざまから ◆ 内容 近年は複数の細胞のスパイク活動を同時に記録する技術が発展し、得られた多細胞データからネットワークレベルでの情報処理を議論することが可能となっている。 しかし、多細胞データの何の物理特性に情報が符号化されているかという肝心な問題に関しては、未だに多くの議論が存在する。 セミナーでは、単一細胞発火率、細胞集団符号化、分散表現、スパイク発火の時間相関など異なる符号化パラダイムの特徴と問題点を実際の研究例の紹介を通じて行う。 次に、時間相関の統計解析に関して相関の有意性検定、強度比較、非定常性などの問題を我々の最近の研究紹介を通じて概説する。 情報・数学分野からの一方的な視点ではなく、生理実験と統計解析の双方を行っている立場から、データ解析の思想などを参加者と議論できることを期待している。 |
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19:00-- | 希望者で懇親会 |
立ち見が出るほど大勢の方に参加していただき、活発な質問も飛び交って盛況のうちに終了いたしました。
日時 | 2011年12月13日(火) 17:30−19:00 |
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場所 | 星陵キャンパス 医学部1号館2F 第1セミナー室 |
後援 | 東北大学重点戦略支援プログラム「数学をコアとするスマート・イノベーション融合研究共通基盤の構築と展開」 バイオインフォマティクス学会東北支部 |
17:30--19:00 | 合原一幸 先生 (東京大学生産技術研究所 教授)
◆ 講演題目 生命の数理:脳の数理モデル、ガンの数理モデル ◆ 内容 生命システムのダイナミクスを理解するために、数理モデルが重要な役割を果たしてきている。 本セミナーでは、脳やガンを例にして、数理モデリングの歴史や我々が研究してきた数理モデルの概要をわかりやすく説明する。 |
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19:00-- | 希望者で懇親会 |
日時 | 2011年10月5日(水) 17:30−19:00 |
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場所 | 星陵キャンパス加齢研 研究棟 1F西側 大会議室 |
後援 | 東北大学重点戦略支援プログラム「数学をコアとするスマート・イノベーション融合研究共通基盤の構築と展開」 バイオインフォマティクス学会東北支部 |
17:30--19:00 | 平岡裕章 先生 (九州大学マス・フォア・インダストリ研究所 准教授)
◆ 講演題目 タンパク質構造とトポロジー ◆ 内容 本講演ではタンパク質の構造解析へ向けた計算ホモロジーの応用について解説します。 ホモロジー群とは幾何学的対象の「穴」を代数的に取り扱う数学の道具で、近年計算機を 用いて容易に求めることが可能になってきました。そこでこの講演ではタンパク質のファンデルワールス 球体モデルのホモロジー群を調べてみることにします。またファンデルワールス半径を変化させた際の 「穴」のロバスト性についても考察します。このような考察を通じて 1.タンパク質の圧縮率 2.ロバストな穴の発見 などについて議論したいと思います。なお数学的予備知識はほぼ仮定せずに、数学の非専門家向けに 解説を試みる予定です。 |
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19:00-- | 希望者で懇親会 |
30名以上の方に参加していただき、また、大勢の方から質問が出て、盛況のうちに終了いたしました。
日時 | 2011年7月6日(水) 17:00− |
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場所 | 星陵キャンパス加齢研 研究棟 1F西側 大会議室 |
後援 | 東北大学重点戦略支援プログラム「数学をコアとするスマート・イノベーション融合研究共通基盤の構築と展開」 バイオインフォマティクス学会東北支部 |
17:00--18:30 | 青柳富誌生 先生 (京都大学大学院情報学研究科)
◆ 講演題目 リズムと同期の数理モデル -神経ネットワークを中心として- ◆ 内容 神経系ではニューロンという基本素子が多数集まり相互作用することで,学 習や記憶といった高度な情報処理能を行っている.このような多数の要素の協力現 象を解明するには,基本素子のもつダイナミクスの本質を捉えた数理モデルを構成 することが肝要である.その解析には,大自由度の力学系を本質的な少数の自由度 で記述することを可能にする縮約理論がしばしば有効である.本講演では,神経系 のリズムと同期現象に着目し,その解析手法と幾つかの結果を紹介したい.最初 に,機能をもった協力現象の一例として古典的な連想記憶モデルを解説する.ま た,リズムとその同期現象に関して,安定な周期的振る舞いをする系であれば神経 系に限らず一般に適応可能である解析手法を紹介する.これらの解析から得られる 代表的な結果や我々の研究なども紹介したい.最後に,神経のリズムや同期の機能 的役割として,記憶のメカニズムに関連があると考えられているアトラクターのコ ントロールや,ある種のラインアトラクターの形成に関与している可能性があるこ とを紹介する. |
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18:30-- | 希望者で懇親会 |